三線奏者のひとり言。来週の東京公演にむけて⦅棚原健太⦆

三線と出会って15年が経った。人生の半分と思うと、ドキっとする。

そしていよいよ来週、リュウカツチュウで初となる東京公演が開催される。いつかこの日がくると思っていたが、いざ実現できると喜びもひとしお。人生で忘れられない一日となるだろう。

チケットは完売御礼。

これがどれほどモチベーションをかきたててくれたか…われわれ舞台人にとって、満員ほど嬉しいものはない。おかげで日々の稽古にも熱が入っている。

リュウカツチュウも、今となってはたくさんの方に知っていだけるようになった。

「棚原さんですよね?いつもヒヤミカチ節みてます!」

ついこの前、スタバの店員さんが声をかけてくださった。こんなところにも視聴者さんがいるのかと、自分が思っている以上にリュウカツのひろがりを感じる。

私もはじめは友人が弾くヒヤミカチ節に憧れて三線にのめり込んだ。時がたち、今は私のヒヤミカチ節を聞いてくれる人がいる…人生ってふしぎだ。

今から3年半前のコロナ禍。芸能人生最大?のピンチをチャンスに変えられたのも、リュウカツチュウの活動があったから。

舞台がなくてもインターネット介せば、沖縄で芸能を育む「ありのままの私たち」を発信できた。

そして、世界中のリュウカツ視聴者のみなさんに出会えた。

「出会うはずのなかった人が出会う瞬間」

先日のパリ公演でご一緒した映画作家・河瀨直美さんがおっしゃっていた言葉だが、まさにこの出会いもそうであると信じている。

そして、視聴者さんのまぁーオモシロイこと(笑)。おかげでさまで毎月1日の定例ライブは大盛り上がりだ。

三線や琉球舞踊、沖縄芝居の話題でコメントが沸く。互いにコンクール合格を祝ったり、健闘を称えあったり、素敵なエピソードに胸を打たれることもしばしば。

リュウカツチュウというプラットフォームが、ひとつの”居場所”になりつつある。

語りたや 語りたや 月の山の端に かかるまでも

オンラインでもリアル(舞台)でも、琉球芸能をみんなで囲める居場所でありたい。

来たる「琉球舞踊と古典音楽の会」は、演舞はもちろんのこと、ありのままの私たちをみていただきたいとも思う。

4月6日がほんとうに楽しみだ。新年度初めの週末、東京の地で沖縄の風が吹く。

乞うご期待、よき日になりますよう。

記事:リュウカツチュウ 棚原健太