ちんだみとは、三線の調弦(チューニング)こと。
どことなく親しみやすい言葉の響き。沖縄らしいキャッチ―な語感がイイ。
さて、今回は私なりに「ちんだみ」を振り返ってみたい。ちんだみに関する記事は多いが、自らが演奏家の立場にあるからこそ、少なからず独自に語れる部分はあると思っている。そのため記事は「基礎・コツ編」と「雑談編」にあえて分けた。主観も交えながらではあるが、最後まで読んでもらえると嬉しい。
■ ちんだみの種類
まずはおさらいから。ちんだみは基本的に三種類あり、それぞれに特徴がある。
1.本調子(ほんちょうし)
・演奏できる曲が多い
・琉球古典音楽工工四の上・中巻曲は「本調子」
代表例 / 安里屋ユンタ、唐船ドーイ、かぎやで風節
2.二揚げ(にあぎ)
・高音域の曲、独唱に好まれている曲に多い
・組踊や沖縄芝居など、劇中の音楽によくみられる
代表例 / トゥバラーマ、浜千鳥、干瀬節
3.三下げ(さんさぎ)
・沖縄民謡(離島を含む)に多い
・古典音楽はほとんどみられない(ごくわずか)
代表例 / 谷茶前節、汗水節、ナークニー
■ ちんだみの心得
三線を弾くうえで「ちんだみが揃っている」ことは最低条件。つまり基礎中の基礎であり、非常に重要なスキルだ。コンクールでも厳しく審査されるため、なるべく早い段階でマスターしておきたい。
また、三線のカラクイ(弦を巻き付けている部分)の状態もちんだみに大きく影響する。すぐ弦がゆるむ、カラクイが滑らかに回せないといった不具合を生じている場合は、迷わず三線職人に修理してもらおう。つね日頃から「ちんだみが揃っている」状態を心得たい。
具体的な方法はコチラ↓
■ ちんだみのコツ
基礎とはいえ、三線初心者にとってはハードルが高く感じられるもの。
「仕組みがわからない…」
「イマイチ音感がつかめない…」
「本調子以外は苦手…」
などなど、切実な声がちらほら、、。そんな「ちんだみ迷宮」から抜け出せない方々へ!ズバリこのひと言をおくります。
” 百聞は一見に如かず “
細かい理屈云々はいったん忘れるべし。まずはチューナーなどを使って「ちんだみが揃っている状態」を ”目と耳で”認識しよう。きちんと認識することがちんだみ上達へのコツだ。チューナーは楽器専用であれば基本的にOK。ちなみにスマホアプリにもあるため簡単に手に入る。テクノロジーの代物を活用すべし。
“ 一見に如かず “の動画もぜひ↓
※過去に個人的に制作した動画を引用
ちんだみは頭で考えるよりも感覚的につかむもの、というのが私の持論だ。「習うより慣れろ」のスタンスに近いものと捉えている。徐々に慣れながら、最終的には自身の「耳」でちんだみができるとベスト。そのレベルまで達したのならぜひ胸を張っていただきたい。
さて、今回はちんだみの基礎やコツなどを中心に語ってみた。このつづきは「雑談編」にて。突き詰めていくと、ちんだみも”人それぞれ”若干違っているのだ。次回はそんな「ちんだみ事情」や経験談、私なりの理解を共有できればと思う。
乞うご期待っ!
記事:リュウカツチュウ 棚原健太