組踊「万歳敵討」より|坂本節|歌詞・意味まとめ

坂本節

歌詞

一、打ち鳴らし鳴らし 四つ竹は鳴らち 今日や浜出ぢて 遊ぶ嬉しや

四つ竹を打ち鳴らして 
今日は浜に出て遊ぶのが嬉しい

二、さざ波の立てば ぬがす浜千鳥 うらみなく無蔵や わかて居らね

さざ波が立てば何故鳴くのか浜千鳥
(お前も)愛する女性と別れて泣いているのか

単語集

  • ぬがす / どうして、なぜ
  • 無蔵 / 愛しい人、あなた(男性が女性を言う際の二人称)

坂本節について

組踊「万歳敵討」浜下りの場面で、四つ竹を打ち鳴らしながら踊る場面で歌われる曲目です。穢れを払うために小湾浜に浜下りへとやってきた高平良御鎖一行は宴を始めます。その宴席で列女らが「坂本節」にのせて踊り踊ります。めでたい一番の歌詞とは対照的に、二番の歌詞は不穏な内容がうたわれるのは、高平良御鎖の行末を(謝名の子兄弟による敵討)暗示させるものといえます。

三線奏者のひと言

古典音楽「辺野喜節」に似ているこの曲。組踊に触れなければ出会うことは無かっただろう曲ですが、さらっとしていてけっこう好きな曲です。所属している沖縄伝統組踊「子の会」の文化庁組踊巡回公演では、「万歳敵討」を上演しているため、シーズンになると幾度となく演奏する一曲です。

演奏動画