歌詞
一、北谷真牛ぎやねが 歌声うち出せば なかべ飛ぶ鳥も よどで聞ちゅさ (スリヨー)
北谷真牛が歌声を出すと 空を飛んでいる鳥も羽を休めて聞くのである
一、なかべ飛ぶ鳥や 聞からわんよたしゃ かくり思里が 聞かばちゃすが (スリヨー)
空を飛んでいる鳥に歌声を聞かれても構わないが 愛しい人に聞かれていたらどうしましょう
単語集
- ぎやね / 接尾語(人名につく敬称)
- なかべ飛ぶ鳥 / 中空を飛ぶ鳥
- よどで / 立ち止まって、休んで
- 聞からわんよたしゃ / 聞いていてもよろしい
- 思里 / 愛しい人(女性から男性に向けて言われる)
- 聞かばきやすが / 聞いていたらどうしよう
百名節について
玉城間切百名村から起こった歌と『琉歌百控』にある。『屋嘉比工工四』(現存する最古の工工四)には百名節の節名が三回出てくるが、その二つは本調子のもので、もう一つが二揚調子の百名節に相当するといわれる。歌詞に登場する「北谷真牛」は、「吉屋チルー」「恩納村ナビー」と並ぶ女流歌人といわれている。
三線奏者のひと言
古典音楽の独唱曲としても人気があり、組踊でもよく登場する楽曲のひとつ。長年古典音楽を嗜んでいる方は、いちどは弾いたことのある曲ではないでしょうか。古典音楽「さあさあ節」と歌持ち・旋律が非常に似ているため、「どっちがどっちだった?」と、時折わからなくなるのが古典音楽奏者あるあるなんです(笑)