白鳥節|歌詞・意味まとめ

白鳥節

歌詞

一、御船のたかともに 白鳥がゐちやうん 白鳥やあらぬ 思姉おすじ

船の艫の高い所に 白鳥が佇んでいる 
いや 白鳥ではなく おなり神の姿である

単語集

  • 御船 / 琉球王府が幕府や中国皇帝へ進貢にのために派遣する船の敬称。「ウニ」と読む
  • たかとも / 高艫、船尾の高く反り上がったところ
  • 思姉おすじ / 姉妹の守護霊。姉あるいは妹(または女性全般)は兄弟や男性を守護する霊威が宿るとされていた(おなり神信仰)

白鳥節について

おなり神信仰(姉あるいは妹、または女性全般は兄弟や男性を守護する霊威が宿るとする沖縄古来の民間信仰)に結びついた歌で、航海の安全を予祝した嘉例な歌。唐旅=死 を意味した琉球の航海。船に乗る男たちは、姉や妹から贈られた手巾を身につけ、お守りとしていました。手巾には守護する霊威が宿るとされていたからです。この歌では、船の後を追ってきた白鳥が、おなり神の化身だと喜ぶ様子が歌われます。

三線奏者のひと言

古典音楽のなかにあって、少しスピリチュアルな印象を受ける一曲。組踊「雪払」(真境名版)では母親の亡霊が登場する場面でこの曲が使用されます。現代のように、安全で安心な旅ではなかった時代においては、旅立つ人の航海安全が今以上に切に願われたことでしょう。不安の大きい船上で艫にとまった鳥に、港で見送りをしてくれた人の念が化身となってあわられたんだという嬉しさが垣間見える一曲です。

演奏動画