大浦節|歌詞・意味まとめ

大浦節

歌詞

一、まこと名に立ちゆる 塩屋の番所 中山や腰当て 港前なち 沖の網舟の ヱイヤヱイヤと 浜に寄せくれば 道急ぐ人も 立ちよどで見やべさ だんじゅ首里那覇も 音に響む

 誠に名高い塩屋の番所は 中山を後ろにして 港を目の前にしています 沖の網舟の舟子が エイヤエイヤと声をかけて浜に寄せ来ると 道急ぐ人も立ち止まって見ています じつに首里や那覇までも評判です

単語集

  • 名に立ちゅる / 噂に名高い
  • 塩屋 / 沖縄本島北部大宜味村にある地名
  • 番所 / 行政事務を行う所。のちに役場、役所といわれる
  • だんじゅ / 実に、まことに
  • 音に豊む / 評判の高い、もてはやされる

大浦節について

「大浦」は、久志間切(名護市)の集落名で、琉球王朝時代に南部方面へ薪炭を積み出すための港があったといわれる。本曲は、高宮城親雲上作の組踊「花売の縁」で猿回しが久志辺野古(名護市)から塩屋(大宜味村)へ向かう場面の道行歌で、塩屋番所周辺の風景や行き交う舟の様子などが歌われている。

三線奏者のひと言

琉球古典音楽にはめずらしい「三下げ」の調弦で弾く曲です。沖縄民謡「花の風車」と旋律が類似している特徴があります。また、歌持ち(前奏)は野村流と安冨祖流で三線の勘所が異なり、前者では三線の勘所「尺」を使用、後者は「工」(音程は同じ)を使用して歌持ちを奏でます。

大浦節の三線演奏動画