琉球舞踊谷茶前より|谷茶前節・伊計離り節|意味・歌詞まとめ

谷茶前

歌詞

(谷茶前節)

一、谷茶前ぬ浜に スルル小が寄てぃてぃんどー(ヘイ)スルル小が寄ててぃてぃんどー(ヘイ)

 谷茶村の前の浜にキビナゴが寄り集まっているよ

二、スルル小やあらん ミジュン小どやんてぃんどー(ヘイ) ミジュン小どやんてぃんどー(ヘイ)

 キビナゴではないよ 大和いわし なんだよ

三、二才達や うり取いが あん小や かみてうり売いが(ヘイ) あん小や かみてうり売いが(ヘイ)

 青年たちは 魚を取りに 若い女性たちは 魚を頭上に乗せてそれを売りに

四、うり売てぃぬ後ぬ あん小が  匂いぬしゅらさ(ヘイ) 匂いぬしゅらさ(ヘイ)

 魚を売って帰ってきた若い女性の匂いが香ばしい

五、うり取ゆる島や 謝名と宇地泊(ヘイ) 謝名と宇地泊(ヘイ)

 魚をとるスポットは 謝名と宇地泊だ

(伊計離り節)

一、勝連の(ヨー)島や(ヨー)(ハリ)通い欲さ(ヨー)(ヘイヨー)あしが(ヨー)

勝連の島に、通いたいのだけれども

二、和仁間門の(ヨー)潮の(ヨー)(ハリ)蹴やいあぐでぃ (ヘイヨー)あぐでぃ(ヨー)

和仁間門の潮は(波が激しいので)行きあぐねているのだ(愛しい人よ)

単語集

  • 谷茶 / 地名。沖縄本島北部恩納村にある
  • スルル小 / きびなご
  • 寄てぃてぃんどー / 寄ってきだぞ
  • あらん / ~ではない
  • ミジュン / 奄美島以南に生息するイワシ
  • 二才達 / 青年たち
  • あん小 / 若い女性たち
  • かみて / 頭上に物をのせる
  • しゅらさ / 香ばしい、快い、可燐である
  • 謝名 / 地名。沖縄本島北部、今帰仁村にある
  • 宇地泊 / 地名。沖縄本島中部宜野湾市にある
  • 勝連の島 / 沖縄本島中部にある勝連半島にある村
  • 通い欲しゃあしが / 通いたいのではあるが
  • 和仁屋間 / 地名。沖縄本島中部北中城村にある。中城湾に面する。
  • 蹴やいあぐでぃ / 蹴り歩くのが難儀である

谷茶前について

谷茶は沖縄本島北部西海岸の恩納村にある漁村です。

谷茶の浜辺で男達が魚を獲り、村の娘たちがその魚を町に売りに行くという漁村の情景を歌っています。

琉球舞踊『谷茶前』は、明治20年代に振り付けられ、男は櫂(かい)を、女は籠(かご)を持って踊ります。

三線奏者のひと言

祝い事やお祭りはもちろん、ゆいレールや沖縄のローカルCMなど、沖縄に住んでいれば日常のなかでも耳なじみのある曲です。沖縄のふるい歌に多くみられる三下げ系の曲で、三線をこころざす人にとっては、レパートリーのひとつに持っておきたいですね。

この曲はいわゆる三下げ

演奏動画