歌詞
一、今年から始まる そんばれの踊り 二才ばかいすだして 踊らし舞らし 前結びもかたけさまも つやうきよらさ
今年から始まる そんばれの踊り 若者を装わせ 踊らせ舞らせて 前結びも欹髻(かたかしら)も清らかで美しい
二、鶴と亀との齢や 千年万年 我ぬも年比べて 幾世までも 子孫さも もたへさかえ
鶴と亀の年齢は 千年万年も続くが 私も年を比べると いつまでも長生きして 子孫の繁栄を願いたい
単語集
- 下原 / そんばれ、西表島租納の小集落名
- 二才 / 若者・青年
- かいすだてして / 装って、化粧して
- 前結び / 王朝時代の男性の琉装で締める幅の広い大帯
- かたけさま / かたかしら。王朝時代の成人男性の髪型
- つやう / 実に、誠に
- つやうら / 清らかだ
- 齢 / 年齢
- 我ぬも / 私も~
- 幾世までも / いつまでも
- もたへさかえ / 繁栄、栄える
そんばれ節・黒島節について
『屋嘉比工工四』『御拝領工工四』『琉歌百控』には両節とも記載はないが、伊差川世端・世禮國男著『声楽譜附工工四(続巻)』に両節名が記載され、八重山地方の歌が琉球古典音楽の工工四に組み込まれたものと考えられている。歌詞は子孫繁栄、健康長寿を祈願する内容が歌われ、祝宴の席や琉球舞踊「松竹梅鶴亀」でしばしば演奏されている。
三線奏者のひと言
古典音楽のなかでもハツラツとした曲調が持ち味のこの2曲。私たち(リュウカツチュウ)の舞台の幕開けを何度も飾ってくれた曲です。この曲を演奏すると不思議と場が締まるんですよね、まさに「始まった!」って感じ。物事のことはじめに聞きたいオススメ曲です。