琉球舞踊 日傘踊りより|花笠節・安里屋節|歌詞・意味まとめ

琉球舞踊 日傘踊り

歌詞

(花笠節)

一、花笠作やい 面顔隠ちょて 梅の匂い 里と我が仲 忍ばんむんぬん 我が落て着ちゅみ

 花笠を作って顔を隠して 梅の匂いがする頃 貴方と私が忍び逢うこともしないのに 私は落ち着きますか

二、手紙の来んてん 御状の来んてん 我が落て着ちゅみ 枕並べて 云い聞かさんむん 我が落て着ちゅみ

 手紙が来ても便りが来ても 私は落ち着きません 枕を並べて話してくださいませんと 私は落ち着きますか

三、深山の鶯 初春待ちかに 朝露吸ゆさ 老いも若きも 野原に出じとて 遊ぶ嬉しゃ

 深山の鶯は春を待ちかねて朝露を吸います 老若男女が野原に出て遊ぶ嬉しさよ

(安里屋節)

一、安里屋のクヤマに あん美らさ生まりばし

 安里屋のクヤマ(女性の人名)は こんなにも美人に生まれました

二、目差主の乞よたら 当る親の望みようたら 

 目差主(役人)に妻にしたいと乞われ 当る親(役人)に妻にしたいと望まれた

三、目差主や 我な否ぱ 当る親や くれゆむ 

 目差主は嫌です 当る親には私を差し上げます

単語集

  • むんぬん / ~しないものだから
  • 落て着ちゅみ / 落ち着くか(落ち着かない)
  • 目差主 / 王府から派遣された役人、助役
  • 当る親 / 王府から派遣された役人、目差主の上司にあたる

花笠節・安里屋節について

花笠節は沖縄民謡として知られるほか、しばしばエイサー曲として用いられている。歌詞は、花笠を作って愛しい人のところで忍んでいく恋心が表現される。安里屋節は、石垣島地方竹富島が出自の八重山民謡。安里屋は屋号のことで、安里屋の美少女クヤマとそれをめぐる役人達との恋のかけ引きが歌われる。また「安里屋ユンタ」(竹富島の古謡)でも同じ内容が歌われている。

三線奏者のひと言

恋歌というのはだいたい世界のどこでもありますし、いつ時代でも生まれてくるものです。ただ歌詞を見ると、所々その時代の“恋“を取り巻く環境が読み取れることも。手紙が返ってきても落ち着かない!というのは、現代でいうメールやLINEだけではさみしい!と感じる心情に近いものでしょう。やはり恋って普遍ですよね~。

演奏動画