中城はんた前節|意味・歌詞まとめ

中城はんた前節

歌詞

飛び立ちゆる蝶 まずよ待てつれら 花のもと我身や 知らぬあもの

 飛び立っていく朝よ、ちょっと待って私を連れてっておくれ。私は花の元を知らないのだから。

単語集

  • 飛び立ちゅる /   飛び立っていく
  • 蝶 /    花の縁語で、誘いに来た友を蝶に擬した表現
  • つれら /  連れよう、一緒に行こう
  • 花のもと /   遊郭の隠語で遊里を指している
  • あもの /   〜であるから(順接の接続詞)

中城はんた前節について

古典音楽の中でも御前五節に数えられ、上巻に収められています。演奏会では、かぎやで風節・恩納節・中城はんた前節・こてい節・長伊平屋節(辺野喜節)の5曲をひとまとめとしてよく演奏されます。また琉球舞踊「柳」の出羽としても使用され色々の花や植物を入れた籠を手に踊ります。

三線奏者のひと言

普通に解釈すれば、庭先の蝶を眺め「花のよく咲いている場所を教えておくれ」という風流な歌だなと思うのですが、きっと「花=女性」のことなんだろうなーと段々わかってくるのが琉歌の面白いところです。多分花の元は遊郭のことだろうと思うのですが、当時の遊郭は単なる遊び所ではなく、政治・文化の会合の場でもあったそう。そこで育まれた芸能文化が今日に伝承されているという側面もあるんだとか。

中城はんた前節の演奏動画