中作田節|歌詞・意味まとめ

中作田節

歌詞

一、月夜や月ともて 明ける夜や知らぬ 女童腕枕 にや夜や明かち

月夜の月だとばかり思って、夜が明けているのも知らず、若い女性の腕を枕にしているうちに夜が明けてしまった。

単語集

  • 明ける夜や知らぬ / 夜が明けているのも知らず
  • 女童 / 若い女性、年頃の娘 ※琉歌集では女童はすべて「童」と記載されている(諸見川和男 著「工工四琉歌散策」より)
  • にゃ / もう、最早・間もなくなどの動作を表す副助詞

中作田節について

月夜の光だとばかり思って(実は朝日だった…)夜が既に明けているのも気付かないでいた、という恋人との束の間の時間を名残惜しむ心情が歌われています。

「作田(ちくてん)」と名のつく琉球古典音楽は、昔節の「作田節(ちくてんぶし)」をはじめ「揚作田節(あぎちくてん節)」「早作田節(はいちくてん節)」「伊集早作田節(いじゅはいちくてんぶし)」、そしてこの「中作田節」があります。これらの曲は、三線の指使いも多彩で、旋律もメロディアスです。特に「中作田節」は軽快な曲想で人気が高く、琉球舞踊曲にも取り入れられています。

三線奏者のひと言

高音域から始まるこの歌。月光がカーテンの隙間から一筋入ってくるような歌い出しが魅力的な一曲です。野村流と安冨祖流では若干、手が違っていて伴奏楽器の奏者にとっては少し苦戦する一曲。一説によると、欽定工工四を作成した当時「中作田節」の前奏の手にいくつか種類があって定まらなかったそう。そこで野村流では箏の手を基準にして前奏が定められたとか。

演奏動画