干瀬節|歌詞・意味まとめ

干瀬節

歌詞

一、里とめばのよで いやで云ふめお宿 冬の夜のよすが 互に語やべら

あなたと思えばどうして宿をお断りしましょうか。
冬の夜の一晩中、語り明かしましょう。

単語集

  • 里とめば / 貴方と思えば
  • よすが / 夜通し、一晩中、よもすがら

干瀬節について

組躍「執心鐘入」でのひと場面で宿の女の心情を歌ったもの。宿を乞う人物が美少年と名高い中城若松だと知った宿の女が、若松を屋敷へ招き入れる場面で歌わる。屋嘉比工工四には「干瀬に居鳥節」とあり、歌詞は「干瀬にいる鳥や満潮恨めゆい我身は暁の鳥ど恨めゆる」とある。「干瀬節」は多くの組踊に用いられている曲で、ほとんどが恋の歌であるが、哀愁を帯びた調子、元歌の曲想から別離の暗示として用いられることもある。

三線奏者のひと言

組躍「執心鐘入」そして琉球舞踊「かせかけ」で使用されるこの曲は、二揚げ曲の入門曲ともいえる一曲。僕(けんた)の大師匠にあたる、安富祖竹久門下では「たまさかの~」で歌う慣例があり、師匠・比嘉康春や先輩の仲村逸夫さんも同歌詞でCDにレコーディングしています。

演奏動画

◼演奏動画でうたわれる歌詞

たまさかの今宵 鳥は歌るとも しばし明雲ぬ 情けあらな
(めったにない今宵は、鳥が時を告げようとも明け雲よ情けあってくれ=夜明けをおくらせてくれ)